フィギュアブランド『VERTEX』

造形部 志賀

よりクオリティの高い、
情熱に訴えかけられる商品を。

『VERTEX』は、トップスの自社開発商品として立ち上げたフィギュアブランド。
トップスの造形部が、美少女フィギュアをメインにオリジナル商品を企画から立ち上げています。オリジナルフィギュア制作の秘話やホビー業界の変化、将来の展望も明らかに。

よりコアな層をターゲットに

主な業務内容について

私たちの部署では、自社開発のフィギュアを企画・製造・販売しています。
企画からフィギュアのデザイン、仕様を立ち上げ、原型製作、製品生産、営業販売全て行なっているのが他の部署とは特に違うところです。

現在はゼロから企画を立ち上げ、オリジナルキャラクターを生み出す商品展開に力を入れています。

既存の版権を使わず、1つの造形物として、純粋にフィギュア自体が好きな人向けで、フィギュア業界の中でもコアなお客様をターゲットにしています。

オリジナルフィギュアを主力にしたきっかけは?

もともとは一般的なキャラクターフィギュアの制作をメインにしていたんです。
ただ、誰もが知っているような人気アニメや漫画、ゲームの企画だと、すでに大手のメーカーと契約済みということが多くて、版権を取ること自体が難しいんですよ。
そんな中でも、自分たちができるものを探して試行錯誤していたんですが……なかなかうまくいかず。

そこで、「アニメが好きな人」とか「漫画が好きな人」とか幅広い層に向けてではなく、「純粋なフィギュア好き」をターゲットに絞った、オリジナルフィギュアの制作に力を入れようという方向に舵を切りました。

オリジナルフィギュアシリーズ制作の流れについて

まずは販売ターゲットを決めるところからスタートします。
ターゲットは先程言った通り「純粋なフィギュア好き」の方々です。 フィギュア好きと一口に言っても「美少女×機械」が好きとか「美少女×ファンタジー」が好きとか、細かくユーザーの好みが分かれています。それを踏まえて、過去の情報や経験、市場の流れに基づきながら、造形物として楽しめる商品を考えています。

商品のターゲットの次はイラストレーターを選定し、制作を依頼します。これがフィギュアの大元ですね。
イラストや設定が完成したら、原型師を選定してフィギュアの原型を作ります。イラストレーターが決めた設定を元に、フィニッシャー(塗装職人)に依頼して、デコレーションマスター(彩色原型、通称デコマス)を製作します。
このデコマスは工場に送って生産品の見本にしたり、ユーザー向け広報活動で使用したりします。みなさんがWEBサイトなどの商品ページで見る写真は、このデコマスの状態です。

オリジナルフィギュア制作で大事にしている点は?

制作の過程で1番こだわっているのは、イラストレーターと原型師のチョイスです。

まずはフィギュアありきの企画なので、有名無名は関係なくその企画テーマに合ったセンスを持っているイラストレーターを吟味して依頼するようにしています。
企画の大まかなお題や設定など、決めるところはこちらでしっかり決めて。あとはイラストレーターさんのセンスやアイデアを生かして、自由に表現してもらうと良いものができるんですよ。
細かく縛りすぎず、完全に任せっきりにするわけでもないので、この絶妙なバランスがすごく大事だと思っています。

そもそも、フィギュアというのは出来が悪いと当然売れません。
かといって、どんなに出来が良くても「絶対に売れる」とは言い切れないくらい、ある意味シビアな業界なんです。

ですから、製作側もユーザー側も納得できるものを作れるように、イラストレーター同様、原型師選びも重要なポイントです。

デジタル原型師とアナログ原型師、それぞれを選ぶ基準は?

現在の原型師の多くはデジタル製作に移行してきています。
メーカーとしてはデジタル製作の方が正確さを出せたり、拡大縮小など利便性を考えるとメリットが多いです。

ただ、私たちの場合は、こだわる基準が全く違っていて。
一言でいうと、「作風に合っているかどうか」を大前提に原型師を選んでいます。

絵師の作風がそれぞれ違っているように、原型師にも個々で作風があるんですよ。
「この絵に対して、この原型師の作風がマッチしているか」という点を基準にしているので、デジタルかアナログか、というのは私たちにとっては大きな問題ではありません。

 

 

「子ども向け」から「大人向け」へ

昔と比べてホビー業界の変化は感じますか?

はい、感じますね。1番の変化は、「子ども向け」の商品が減ったことだと思います。
昔は「おもちゃ」というと、ターゲットは必然的に「子ども」だったんですが、最近は企画の時点から「大人」をターゲットにした商品が多くなってきていますね。
年々「大人が楽しめる趣味」としてホビー業界がかなり進歩しているんじゃないでしょうか。

また、『VERTEX』のフィギュアはオリジナルに力を入れていることもあって、国内売り上げの方がまだまだ高いですが、最近は海外市場もどんどん盛り上がってきています。

フィギュアは海外でも人気で、弊社でいうと売り上げの約3~4割は海外ですし、フィギュア関係の大規模なイベントも国内で年3~4回、最近では上海での開催も目立ってきていますよ。
そういったイベントに『VERTEX』の商品も出展しているので、今後はもっと海外需要が高まっていくんじゃないかと期待しています。

大人向けの商品を作る上で重要なポイントは?

やはり「大人」というだけあって、皆さん目が肥えているんですよね。
色々な趣味を嗜んできたようなレベルの高い人たちに向けての商品ですから、よりクオリティの高いものが求められると思うんです。

質が良いのはもちろんですが、それに加えてセンスも問われるんです。気に入った商品は絶対に手に入れるという情熱を持った方々を対象にしているので、その情熱に訴えかけられる商品を作らないといけないと思います。

 

 

「エルフ村」シリーズが大ヒット

商品の流通について

私たちは基本的に「受注生産」で商品を販売しています。
1~2ヶ月ほど注文期間を設けて、その間に入った注文数を生産して販売する形ですね。

モノによりますが、私たちは大体6000個〜8000個くらいの数を作ることが多いです。
生産したものを中国工場から日本に輸入し、ホビー問屋さんを経由して各小売店さんに流れ、お客様の手に届くというのが国内販売における流通です。

『VERTEX』の商品で1番ヒットしたのは?

「エルフ村」というシリーズです。
これは「美少女×ファンタジー」というテーマで制作している企画なのですが、すでに5つの商品が発売されました。現在も、新しい商品の制作に取り掛かっているところです。

アニメや漫画ではない、全くのオリジナル企画にもかかわらず、10000個以上売れたことで、一般ユーザーだけではなく他社メーカーさんでも話題になるくらいは大ヒットしたシリーズだと思います。

 

オリジナルフィギュアの魅力を届けたい

今後の展望を教えてください。

現在、「オービットガールズ」という新しいタイトルの制作も進めているので、今後もオリジナルの企画をどんどんやっていきたいですね。

オリジナル企画では、幅広く新規のターゲット層を広げていくというよりも、すでにフィギュアという趣味が好きな人や、ハマりつつあるような中間層に向けてアプローチできるような商品も作りたいと思っています。

ただ、同じようなフィギュアを作り続けると、お客様は飽きてしまいます。かといって、とにかく突飛なことをすればいいというわけでもないんですよね。

保守的になりすぎても、冒険しすぎてもうまくいかないので、その辺のバランスを大事にしつつ、進化し続けていきたいなと思っています。

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